FCRキャブレターのメンテナンスについて

間違ったメンテナンスは予期せぬトラブルを引き起こします。
次の項目に注意してください。
(報告の多いトラブルの原因となった例)

部位 内容
浮動バルブに組み込まれているシールには表、裏があります。組み違いには充分お気をつけ下さい。 

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ダイヤフラムやUリング等、向き(上下)にご注意下さい。

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フロートバルブの小型用/大型用とは使用するバルブシートの小/大の事でキャブレターボディ本体の小型(スモールボディ)大型(ラージボディ)の事ではありませんのでご注意ください。(例)FCR41D KAWASAKI  ZZR1100用(CARBU No 1000-77R-AB)はバルブシート2.0ですので使用するフロートバルブは小型(W9522-53001)になります。
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キャブレターでは無く車体側なのですが・・・
市販車からロードレース仕様にする際に負圧コックを使用している車両は負圧を止めるのが一般的ですが、最近は負圧コック(負圧を生かしている場合)が原因で流量不足になるケースが増えてきました。特に多気筒の車両は気が付きにくいので必ず対処してください。
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パイロットスクリュー(PS)構成部品と順番の確認。
パイロットスクリューを抜いた時に特にOリングの紛失にご注意下さい。紛失したと思ってもキャブ本体側に張り付いていたというケースがよくあります。奥まっているので汚れていると非常に見分けにくいので特にご注意下さい。
リンクアームCOMPのスラスト方向調整用の+ネジは緩めることは出来ますが取り外すことは出来ません。(抜けないようにかしめてあります)無理に外した場合、ブロックがいたみ正常な組みつけが出来なくなります。
スロットルバルブのベアリング部分(3箇所)は圧入されています。内部のボールベアリング及び外部の樹脂部分を外しますと耐久性等に問題が生じます。一度外した物の再使用は避けてください。(スロットルの重さ、戻り等に影響します)
マニュアル記載のバリエルタ(フッ素グリース)はスロットルシャフト部のニードルローラーベアリングへ給油するものでスロットルバルブのベアリングへ塗るものではありません。スロットルバルブ周りへの間違った給油は逆効果です。
スロットルシャフト部のニードルローラーベアリングを取り外したり、違う部品を使わないで下さい。
スロットルシャフトは分解しないで下さい。(ピンを抜かないで下さい)
非分解部のネジ(黄ペイント)を外したり、緩めたりしないで下さい。
バルブシートを外す際にはマニュアル記載の作業手順にてお取り扱い下さい。

大径(3.2〜4.0)は特にご注意下さい。
外壁の薄い部分をそのままつまむとつぶれる恐れがあります。つぶれ、変形が生じた場合フロートバルブの動きに支障が出ます。