KEIHIN PWK28 CARBURETOR (〜2008)

PWK28キャブレターは大変多くのバリエーションが存在しストリートからレーシングユーザー向けまで幅広く対応しております。
ただ、色々と細かく仕様が違うため各車両とのマッチングを間違えると本来の性能が出し切れません。
例えば同じPWK28と呼ばれているものでも当社が扱っているレース用オプションと呼ばれる区分以外に、海外向けオプション、車両メーカー向け純正キャブ、ショップ別注特別仕様(海外の割と小規模な車両メーカーなどはこの区分に含まれます)等、特に車両メーカー向け純正キャブは公道用市販車なのか、モトクロスやトライアルなどの競技車両なのかで各仕様に向き不向きが出てしまいます。
又、部品単体としてみれば流用可能な部品も多く、組み合わせ可能であればより便利に、より性能向上に役立ちます。ただ同時にメーカーでOKの出ていない組み合わせや流用でのトラブルも見られますので特に注意が必要です。
 
 一部ですが下記に当社での初登場から試作、現行までのPWK28を紹介します。
 
参考までにKEIHIN(メーカー)での呼び名はどれもPWK28になります。
MとかBとか後ろについているのは当社で仕様設定する際にKEIHINの担当者さんとのやり取りで間違えないようにつけていた名称で販売が決まってからもそのまま定着しましたので使用しています。
ちなみにPWK28MのMはメッキのMではなく、当時メッキバルブのことを担当の方がミラーバルブと呼んでいたのでミラー(mirror)のMを使っていたのがいつの間にかメッキと呼ばれ現在はそれで定着しています。
のちに実際には当社で把握している以外の物も多いので型番で(29SAとかFJ0060とか)呼ぶようになりました。

 初期メッキ無PWK28(生産終了)
   PWK28STD  呼び名はSTD
0    PWK28のオプション設定のすべてはこのモデルから始まりました。
特徴はKAWASAKI KR1用がベースでしたのでほぼその仕様に準じています。
PWK28の全て始まりが2気筒用がスタートでしたので初期の頃はスロットルリターンスプリングが弱めでした。
現在でもRZ250などの2ストツイン、またはその他多気筒モデルは弱いスプリングが重宝されています。
チョークはワイヤー式でメインジェットは丸型、フロートチャンバーを外さないと
メインジェットも交換できないタイプでした。
又、KEIHIN部分が赤色でした。
 
   PWK28RR  呼び名はRR(実際にはこのモデルがPWK28と呼ばれていた。)
 1    メッキバルブになる前の最も標準的なPWK28で
当時PWK28といえばこのモデルの事と言うくらい
一般的なレーシングキャブでした。
 2  PWK28T (写真無し) 呼び名はT(トライアル) PWK28初のアイドルスクリュー左右対応モデル
 3  PWK28(RR)SPL (写真無し) 呼び名は04R キタコモデル PWK28初のN80ニードル採用、オイル取り入れ口無、THV#3,0
 4  PWK28K (写真無し) 呼び名はK(カート) カート用試作モデル 強化リターンスプリング、可変メインジェットシステム
 現行のPWK28にも採用されているオプションのスターターバルブや強化SP、N80シリーズのニードルなどは初期シリーズで、すでに設定されていました。
 ここからメッキバルブ仕様
   PWK28M 呼び名はM
5  初代PWK28RRのメッキバルブ仕様。
位置付けとしてはPWK28の最も標準的な現行モデル。
後に、このモデルをベースとし多仕様に展開。
    スロットルバルブがメッキバルブになり、アイドル
スクリューも樹脂製になりました。
   PWK28(M)T  呼び名はT(トライアル)  前モデルと呼び名は同じなので新旧で判別
6   アイドルスクリューが左
フロートチャンバーがトライアル用、オーバーフローチューブの出る向きやその他仕様違い。
   PWK28(M)T  テスト用試作品  呼び名はトライアルの試作
7 アイドルスクリューが左右可
大アイドルスクリュー樹脂製ノーマル改
フロートチャンバーがトライアル専用、内部通路
の最適化。
エアーベント2通路
防塵ブーツ
   PWK28(M)P  テスト用試作品 呼び名はプライマリー
8   見た目は普通のPWK28ですがシステムが別物。
中アイドルスクリュー(樹脂製ノーマル改)
ドレン(ホールディングボルト)は容量アップタイプ。
   
   PWK28B  呼び名はB
9   スロットルストップスクリューが左右どちらか自由に選択可能
オプショントップが標準装備
オプション強いスロットルリターンスプリングが標準
N80シリーズのニードル
標準でCA#3,0 
(初期モデルの色々な仕様を一つにまとめたような仕様です。)
 
   PWK28MU 呼び名はM2(エムツー)
10    PWK28Mをベースに
スロットルストップスクリューが左右どちらか自由に選択可能
オプション強いスロットルリターンスプリングが標準
N80シリーズのニードルにしたものです。

※PWK28MUとBの主な違いは@スロットルバルブ Aキャブトップ Bアジャスターの3点です。
  最も重要な選択ポイントはスロットルバルブがMU(#3,5)B(#3,0)なことです。
 実際販売までにならなかった試作仕様でも後に部品単体でオプション部品になったり、新たな仕様に一部採用されたり役立つこともあります。
最近新しく発売されたと思ってる部品も実は10年以上前から販売されてましたなんて物も多くあります。